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  基調講演Ⅱ

 

 

今回の講演では、まずサイモン会長のプライシングのご講義を解説し、日本においてのそのプライシング論の重要性を明らかにします。そして、それを語る背景として1950年辺りから現在にかけて、どのように経済環境が変化して、それに連れてプライシングがどう変化を遂げてきているのかを歴史的に明らかにします。特に1960年から現在にかけて企業の売上高営業利益率の推移と価格環境の連動性は興味深く、これについても解説します。

 そして少々高くても売れるには何が重要なのか、事例を用いて解説し、特に製品・サービスの本質と顧客の潜在ニーズとの一致が重要であることを明らかにして、高価格を支える製品・サービスの価値について言及します。ここでは製品・サービスの価値が4層構造からなり、その最上位の自己表現価値、すなわち本質が重要であることを明らかにし、事例を交えて解説します。

そして価格がいくらであれば、どのくらい売れるのかという需要曲線の形が通常信じられている形とは異なり、値頃価格周辺に価格の動きに反応しないある領域があり、その領域を把握すれば大きく利益をあげることが可能です。

 そして極めてビジネスよりと考えられていますが、PSMと言われる顧客の価格の受容範囲の正しい測り方について解説し、いかにビジネスで使いこなすかについて実例を用いながら考察します。

  

学習院大学経済学部 教授      上田隆穂様

演題『日本においては何が利益をもたらすプライシングか?』

 

 

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